がん患者としての記録

手術中 知らぬは本人ばかりなり

看護師さんと手術室に向かう。 手術室の前には他のご家族が心配そうに見送りをしている。 その前を通りぬけ手術室に入った。 中で名前を確認され暫く待つと 手術スタッフの人がストレッチャーと共に現れた。 ここでも名前を確認されストレッチャーに横になる。 ガラガラと音がして早いスピードで運ばれていく。 見えるのは廊下の天井だけ。 天井しか見えないことが怖かった。 2回曲がって運ばれた先は手術室。 よくテレ ...

子宮癌 いよいよ手術当日

いつものように五時頃目が覚めて 血圧を測り身支度をする。 昨日と違うのは手術着に着替えることだ。 8時半から手術なので「8時までに着替えてください」 と言われていたが、早々に着替える気分でもない。 それでも8時前に着替えると、立会のために弟2号が来てくれた。 癌が判ってから感情が揺らいで泣くこともなかったのに、 弟2号の顔を見たら何故か涙が出そうになった。 慌てて隠してみたが、気がついただろうか? ...

子宮癌入院 連絡はSNS

入院中弟達との連絡はFacebookのグループ。 便利な世の中になっている。 毎回の食事の写真を投稿することで生存確認。 姉と弟なんてあっさりしたものである。 妹がいる人がちょっぴり羨ましかった。 こんな時は何でも話せる人が欲しいと思う。 人に甘えることが苦手な私は 甘え方がわからない。 弟にまで気を使っている。 時には「人に甘えること」も大事だと思う。 もっと素直になろう。 一人で出来ないことは ...

癌手術前の家族説明の日

手術前日の11時に家族への説明。 弟が仕事中に抜けて来てくれた。 内容はほぼ昨日と同じ。 手術方法は「腹腔鏡手術で始めて摘出したものを その場で検査して必要であれば開腹手術に変更」 手術のリスク、合併症等の説明が続く 年齢も年齢なので子宮を摘出した後の ホルモンバランスの影響は少ないこと。 リンパ節を取ることで浮腫の可能性があるので、 ケア必要であることが説明された。 手術の時間や手術後のスケジュ ...

まな板の上の・・・(事前説明)

入院当日、担当の先生から説明を受ける。 本来なら家族と一緒なのだが、入院日には都合がつかなかったのでまず本人説明。 イケメン先生が淡々と、理路整然とわかりやすく説明をしてくださる。 フェリーチェの結果と慶應病院での検査結果を合わせて手術方法が決まる。 「実はですね」と癌の評価方法を説明する先生がおっしゃる。 「細胞レベルの検査は一緒だったのですが、浸潤レベルが真反対の結果なのです」 どういうことか ...

子宮癌 初入院の日

3月16日入院初日。 朝は部屋の掃除をし、冷蔵庫を空にしてゴミを捨てて出かける。 「元氣で戻ってくる!」 他人から見たら「ご旅行ですか?」というスタイル。 「えぇ、ちょっと癌がみつかって手術のために入院なのです」 なんて答えが返ってくるとは誰も思わないだろう。 人って外から見ただけでは何もわからないものだ。 時間通り手続きをして病棟に向かう。 大部屋の4人部屋。思っていた以上に広い。 荷物を置いて ...

誰にも言えない

ここまで「脳を騙して明るく生活しよう」としていたが、 常にそんな状態だったわけではない。 慶應病院に行く前の2月17日に記録していた気持ち。 「躓いても立ち上がり、迷いながら進む。 順風満帆とはいえないかもしれないが、それでも「幸せな人生」だと思う。 両親に愛され、高い教育も受けさせて貰い、 温かい兄弟に守られ、 素晴らしい友人に恵まれ生きている。 親の教えの通り誠実に、まじめに、精一杯生きてきた ...

がん告知 友の励まし

入院直前まで私が癌だと知っている友人はS子さんだけ。 彼女のお陰で病院にいく決心がついたし、 彼女のお陰で前向きに治療に向かう気持ちになれた。 S子さんは乳がん経験者でエステの御客様で 学生時代からの大切な友人の一人でもある。 だから闘病期間もその後もずっと彼女の姿を見ていた。 S子さんは自分の病名が判った時に病気について調べあげ、 自分が納得するまで医者と話しをして治療方法を選択していた。 退院 ...

がん告知 初の入院準備は旅行気分で?

入院準備も初めて。 こうなったらとことん楽しもう! そうでなければ「やってられない!」 手術が決まってから少しずつ思いついたものを袋に入れていく。 直前まで使うものは入れ忘れないようにリストアップする。 「旅行!旅行!」と思い込む! 眉がボサボサだと恥ずかしいから拡大鏡とピンセットと眉バサミ スキンケア用のフェイスマスク ふりかけとハーブティー クルクルドライヤー 勉強用の本とノート(ほとんど使う ...

がん告知 入院中の過ごし方(妄想編)

楽しいことを考えようと思い 明るい入院生活を妄想していく。 どうせ暇だから資格でも取ろうかな? などと考えて比較的簡単に取れそうな 通信教育の資料を請求したりした。 結局「新しいことより、資料は沢山あるのだから 今までの勉強のしなおしをしよう」と思い直す。 今にして思えば、資料請求で終わらせていて良かった という事は言うまでもない。 実際短い入院期間で本を開く気分になれた時間はほんの少しだった。 ...